2021年03月27日 SR600 阿蘇ジオツーリズム

コースオープンと同時に申し込んだらエントリーナンバー1番を勝ち取ったSR600阿蘇ジオツーリズム。

緊急事態宣言でブルベが延期されたり東京都在住では出走できなかったりと、3ヶ月近く長距離を走れていなかったところにいきなりのSR600だったが、 全体的にSR600とは思えないほど路面がよく、平地や下りで貯金を稼ぎやすいコースだった。

55時間58分で完走し、エントリーナンバー1番の責任を果たした。

区間 地点 距離(km) クローズ時刻 到着時刻
スタート(PC1) ローソン肥後大津駅南店 0.0 - 03/27 04:00
PC2 JR阿蘇駅 25.2 - 03/27 05:29
PC3 阿蘇山上広場 40.5 - 03/27 06:58
PC4 グリーンロード南阿蘇 68.4 - 03/27 08:57
PC5 道の駅通潤橋 98.6 - 03/27 10:19
PC6 大通峠 154.9 - 03/27 13:57
PC7 道の駅子守唄の里五木 169.5 - 03/27 14:32
PC8 椎葉越(ぼんさん越) 209.1 - 03/27 18:17
PC9 JR日向市駅 310.0 - 03/27 22:39
PC10 日之影温泉駅 362.5 - 03/28 10:06
PC11 尾平越 397.7 - 03/28 13:05
PC12 ラムネ温泉・長湯温泉 448.9 - 03/28 16:24
PC13 ビーコンプラザ 487.4 - 03/29 03:22
PC14 牧ノ戸峠 545.8 - 03/29 08:57
PC15 西湯浦園地展望台 577.8 - 03/29 10:58
フィニッシュ(PC16) ローソン肥後大津駅南店 603.0 - 03/29 11:58

前日まで

スタート地点の肥後大津駅は熊本空港にも近く、飛行機でのアクセスが良い場所。

ただ、行きで飛行機輪行による余計なトラブルを避けたかったので、前日は有給休暇を取って新幹線で7時間かけて移動。

スタート地点すぐ横にあるルートインに宿泊した。

また、本来は1泊目を240km付近の椎葉村にする予定だったが、1日目深夜から2日目午前にかけて春の嵐で土砂降りの予報だったので、1日目のうちに310km付近の日向市まで頑張って走り、2日目午前の雨天走行時間を減らすように計画した。

1日目 (-313km)

ブルベ前日によくあることだけど、早めに寝たいのに眠れず、ようやく寝たのに30分ほどで目が覚めてしまう、などしていたのだが、なんとか合計1時間ほど睡眠を取ることができた。

4時スタートのために3時50分頃にホテルをチェックアウト。

ゴール後も同じホテルに予約しているので、荷物を預かってもらってからコンビニに行き、4時ちょうどのレシートをもらってスタート。

この日の天気予報では日中は晴れて夕方から夜に雨が降り始める、気温は最低7℃で最高24℃、という予報。

冬用ジャージを着るか、夏用ジャージにアームカバーで凌ぐかを迷ったが、生郎さんの「最終日も考えてレイヤリングできるほうが良い」というアドバイスに従って、夏用ジャージとアームカバーにした。

まだ真っ暗ながら、復旧した国道57号の新しい路面を、久しぶりなのでゆっくり走る・・・つもりだったが、腹筋に筋肉痛が。

やはり長距離を乗っていないと体幹や上半身の筋肉が衰えてしまうもよう。

加えて、天気が良かったため冷え込み、Garminの気温表示で2℃を示していて、少し強度を上げないと凍えてしまったのでダメージが加速。

なんとか最初のPC、阿蘇駅に到着。

フォトチェックはウソップでも良いのだが、真っ暗で撮影できなかったのでパス。

その後は今回最初の大きな登りで阿蘇山上まで。

空もだんだんと明るくなってきたのだが、この日は天気が良く、阿蘇の眺めは最高の一言。

標高1140mまで上げてPC3の看板を撮影。

その後は南側に下って一旦標高を400m付近まで下げ、コンビニで小休止してから再度1070mの地蔵峠まで登る。

長い下りのあとしばらく小さなアップダウンを繰り返しながら道の駅 通潤橋へ。

この後116km地点にある、日向市前で最後となるコンビニで補給。

朝2℃だった気温はすでに21℃になっていて、この後Garminは29℃を示すまで気温が上昇。

アームカバーを外してグローブを夏用のものに変更したのだが、インナーはウールの冬用のものしか持ってきていなかったので、かなり暑かった。

とはいえインナーまで夏用にしていたら朝の2℃に耐えられなかったので、夏用ジャージという選択は大正解。

八代市で一旦標高50m以下まで下った後、765mの大通峠(ネットで調べると「おどおりとうげ」と読んでいるものが多いが、標識のローマ字では「おおとり」になっていたりと読み方が分からない)までが結構キツイ上りだった。

1日目の上りは阿蘇山と椎葉越(いずれも標高1000m越え)がメイン、という認識していて、大通峠は少し油断していた。

ループ橋をぐるぐる回って高度を稼ぎ、トンネルを通過してPCに到達。

そこからはちょくちょく工事による片側交互通行で止まりながら、次のPCの道の駅子守唄の里五木へダウンヒル。

この後は130km先の日向市内に入るまで、補給らしい補給ができないので、そばを食べてしっかりと補給。

道の駅を出発してしばらくすると、ようやくSR600らしい両側1車線の山道が出現。

逆に、ここまでの道は片側1車線以上あるのに交通量が少ない快走路で、走りやすい半面、少し物足りなかった。

標高300mの道の駅から、標高1480mの椎葉越までを3時間以上かけて何とか上りきった。

ダウンヒルはスピードが出て怖いので、路面の状態を把握するには十分明るい時間帯にたどり着けて大満足。

空を見上げて見ても、しばらく雨雲は見えないので、日向市の宿に着くまで雨雲から逃げ切れそう。

椎葉越からの下りでは前週までの走者から「一部のグレーチングに罠がある」という情報だったので、基本的にグレーチング部はすべてジャンプしてかわした。

路面の一部ダートになっているところもあったが、路面が見えていれば舗装されているところを選んで安全に下れる。

下りきってからのダム湖がとても長く感じたが、240km地点の椎葉村入り口にある自販機でココアを買ってカロリーを補給。

そこから70kmは国道327号を日向市までひたすら快走。

ところどころ未改良の両側1車線区間が残るものの、改良済みの区間はアスファルトの状態も良く、下り基調のため疲れていてもほぼ問題なし。

雨はポツリポツリと降ってきているものの、レインウェアが必要なレベルではなく、路面もドライ。

296km地点で180kmぶりのコンビニ(ファミリーマート)があったので久々に固形物を補給。

しかし、ここのコンビニはゴミ箱を置いていないので要注意。

私はパンとおにぎりなどゴミが小さくまとまるものしか買わなかったので、そのままポケットに突っ込んでホテルのゴミ箱に捨てることができたが、ペットボトルやお弁当を買ってしまうと困ってしまう。

この次のコンビニは8km先なのだが、こちらもファミリーマートなので、10km先のセブンイレブンにしたほうが良いかもしれない。

日向市の市街地に入ってきた頃から雨がポツポツからシトシト程度になってきた。

久しぶりの市街地に安堵しながら、PCの日向市駅で撮影。

日向市駅から3km少し走ったコース上にあるHOTEL AZに22時50分ごろ辿り着いた。

チェックインと同時に雨が本降りになってきて、なんとか雨雲から逃げ切った。

HOTEL AZはフロントが24時間対応な上、どこのAZでも自転車をフロントの入り口部分に置かせていただけるのでとても気に入っている。

今回も入り口に入ったところに置かせて頂けて助かった。

部屋に着いたら、まずはシャワーを浴び、着ていたものを洗濯機に放り込み、待っている間にコンビニに行って夜食と補給を買い込み、洗濯が終わったら乾燥機に入れ、終わったら部屋で干しつつ、各種電子機器の充電をして、といつもどおりの手順を踏んでから睡眠。

前日が睡眠不足だったこともあり、ぐっすり。

2日目 (-480km)

5時半ごろに起床して、天気予報を確認。

本降りの雨雲が7時30分ごろに現在地付近にかかる予報なので、出発はそれ以降にすることに。

まずは6時開始のホテルの朝食バイキングでたっぷりと栄養補給。

雨雲レーダーや外の様子とにらめっこしつつ、7時40分に出発。

雨は降っているものの、土砂降りではない。

しばらくはほぼ平地をゆったり。

2時間半ほど走ってPCの日之影温泉駅に到着。

廃線となった高千穂線の列車を活用した宿があり、ツーリストで行ったときなどに泊まってみたい。

売店が併設されているのだが、あいにく改装工事のため休みだったので、休憩せずにそのまま走行。

少し登って高千穂に入ったところにあるコンビニで休憩。

この先しばらく補給がないのでしっかりめに。

雨は午前中にはやむ、という予報だったが、標高が高いこともあり、少し雨は残っていた。

とはいえ、日之影温泉駅付近ではザーザー降りだったのが、だんだんと弱まりコンビニを出ることにはポツポツ程度に。

天岩戸神社がコース脇にあったので、入り口の鳥居だけ記念撮影。

その後は2日目のメイン、尾平越。

最初のうちはゆるやかな斜度が続き、クルクル回すことができたのだが、最後の3kmほどで一気に道がひどくなって斜度も急に。

距離が短いことが唯一の救いで、高千穂のコンビニから2時間15分ほどでPCへ到達。

しかしながらこの宮崎・大分県道7号の本番は尾平越の後の区間だった。

山あいの小さな集落の間を縫うように道が走っているので、アップダウンがかなり激しい。

しかもその登りの斜度が結構キツイ。

428km地点の道の駅原尻の滝が久しぶりの補給ポイントで、とり天定食を食べて栄養補給。

雨も止んだのでレインウェアを脱いで、その後は標高150mから600m付近まで登った先にある、ラムネ温泉へ。

この後の広域農道や県道もいきなり急な斜度の坂がちょくちょく現れ、脚を使わされる。

そう言えば今日はほとんど写真を撮影してないな、と思い大分川と久大本線を渡る橋で夕日を撮影。

このすぐ後の交差点にあるセブンイレブンで小休止した所、若干吐き気を催してきた。

雨の日のヒルクライムで暑くなったり、レインウェアを脱いで少し冷え過ぎたりと、自律神経が混乱している模様。

一度、運動強度を上げて「今暑いんだ」というほうに神経をリセットしておき、その後上がりすぎた体温を下げるようにしたところ、別府に向かう峠を登る頃には回復した。

350mほどの急な斜度の坂を登ったあとは、10%の下りで一気に別府市街地へ。

18時45分に2日目の宿、西鉄リゾートインに到着。

近くにロイヤルホストがあったので、ステーキをしっかり食べた。

3日目

午前3時にチェックアウトして最終日スタート。

スタートしてすぐ、PCのビーコンプラザに。

その後、別府市内から由布院へ、780m近く一気に登る。

Garminの気温表示は7℃程度で、登っている時はちょうどよい感じだったが、下り始めると寒くてキツかったので、由布院のコンビニであったかい飲み物で温まったあとは、レインウェアも防寒具として着用。

由布院を越えた国道210号はこのSR600では珍しく自動車の交通量が多く、こちらは登りで速度が出ないため少し神経を使う区間だった。

とはいえその国道210号区間も4kmほどで、すぐに大分・熊本県道11号やまなみハイウェイに入る。

相変わらずのアップダウンを繰り返す道を淡々と登る。

一応、何ヶ所か休憩所があって、トイレと自動販売機はあった。

飯田高原付近に出ると、くじゅう連山がドンと見えた。

長者原付近にはモンベルはじめいくつかお店があるのだが、8時過ぎの時点で営業しているお店はなく、手持ちの補給食だけで続行。

長者原以降は標高1330mまで一気に登り、PCの牧ノ戸峠に到着。

ここの売店は営業していたので、山賊おにぎり、いきなり団子、アップルパイ、ホットミルクを頂いてしっかり補給。

その後は気持ちよくダウンヒルを下り、野焼き後の外輪山を眺めつつ快走。

さすがに景観の良い快走路ということで、地元の畜産関係の大型車両のほか、観光客の自動車やバイクの交通量もそれなり。

県道45号に入って外輪山を回る道に入ったが、1日目と違って今日はガスっていてほぼ何も見えなかった。

雨雲が少し残っていたのもあるが、黄砂の影響もあるかもしれない。

まったく景色が見えなかったので大観峰はパスして、そのまま最後の中間PCへ。

県道45号に入った地点で標高770mだったのが、PC15で930mになるので、外輪山を回っているだけなのだが、意外と登った。

その後は二重峠付近から一気に下り、そのままミルクロードに出て大津へ。

国道57号に出てしばらく1日目の道を戻って、11時58分にゴール。

時間は55時間58分。

ホテルのチェックインが15時からなので、それまで3時間ほどホテルのロビーで時間を潰した。

15時になったらチェックインして大浴場に行ってさっぱり。

感想

片側1車線で路面の状態が良い区間が多く、両側1車線で路面が荒れるのが椎葉越と尾平越くらいしかない、という今までのSR600のイメージとかなり違ったコース。

片側1車線なのに交通量も多くなく、日之影付近も両側1車線ではあるものの路面状態は良好。

そのため下りや平地でかなり貯金を稼ぎやすい。

その代わりコンビニがしばらくなくなる区間が3カ所程度(116km地点の美里町-296km地点の日向市、376km地点の高千穂-430km地点の原尻の滝、510km地点の由布院-ゴール付近まで)あるので、この区間を通過する時は売店の営業時間をチェックしておいたほうが良さそう。

今の所、私のSR600難易度は高い順に「紀伊山地>阿蘇>福島」という感じ。