無料タイムスタンプサーバー一覧とルート証明書の信頼済みリスト対応状況

最近、PDFにタイムスタンプ署名を付与する実験的なウェブアプリを2つ(Timestamped PhotoOnline PDF Timestamper)リリースした。

どちらも無料で使えるタイムスタンプサーバー(TSA)としてSSL.comのhttp://ts.ssl.com/を使用させてもらっているが、 世の中には他にも無料で使うことができるTSAがあり、それぞれWindowsとAdobeで信頼されるルート証明機関として登録されているのかどうかを調べた。

調査方法

無料で使えるタイムスタンプサーバーの一覧表として、List of free rfc3161 servers. から抽出したものを使用した。

それぞれのTSAに対して、Tanaka Akira氏によるpdftimestampをフォークしてタイムスタンプ署名のみを行うことができるようにしたpdftimestampでタイムスタンプ署名の付与とLTV対応(検証情報の追加)を試みた。

pdftimestampでタイムスタンプ署名付与に成功したもののLTV対応に失敗したものに関してはAdobe Readerで手作業で「検証情報の追加」ができるかどうかを確認した。

タイムスタンプ署名付与に成功したPDFファイルをWindows 11上で動作するAcrobatとEdgeで開き、署名が有効と判断されるかどうかを確認した。

結果

TSA URL 動作 Acrobat Edge
http://dss.nowina.lu/pki-factory/tsa/good-tsa
https://freetsa.org/tsr
http://time.certum.pl
https://time.mconnect.mc - -
http://timestamp.acs.microsoft.com
https://timestamp.aped.gov.gr/qtss
http://timestamp.apple.com/ts01
http://timestamp.comodoca.com 🟡
http://timestamp.digicert.com
http://timestamp.entrust.net 🟡
http://timestamp.globalsign.com/advanced
http://timestamp.identrust.com 🟡
http://timestamp.sectigo.com 🟡
http://timestamp.sectigo.com/qualified
http://timestamp.ssl.trustwave.com - -
http://ts.cartaodecidadao.pt/tsa/server 🟡
http://ts.quovadisglobal.com/ch
http://ts.quovadisglobal.com/eu
http://ts.ssl.com
http://tsa.baltstamp.lt
http://tsa.belgium.be/connect
https://tsa.cesnet.cz:3162/tsa 🟠
http://tsa.izenpe.com 🟡
http://tsa.lex-persona.com/tsa
https://tsa.mahidol.ac.th/tsa/get.aspx 🟠
http://tsa.sinpe.fi.cr/tsaHttp/ 🟠
http://tsa.swisssign.net
https://tsa.wotrus.com
http://tss.accv.es:8318/tsa 🟡

動作の凡例:

  • ✅ : タイムスタンプ署名付与とLTV対応(検証情報の追加)ができた
  • 🟡 : タイムスタンプ署名付与はできたが、pdftimestampでは検証情報の追加ができなかった。Adobe Acrobatで手作業で追加することはできた
  • 🟠 : タイムスタンプ署名付与はできたが、pdftimestampでは検証情報の追加ができず、Adobe Acrobatでも追加できなかった
  • ❌ : タイムスタンプ署名付与ができなかった

AcrobatとEdgeの凡例:

  • ✅ : 「すべての署名が有効」と表示された
  • ❌ : 「署名に問題があります」「署名の一部を確認できませんでした」と表示された

考察

デフォルトでAcrobatはAdobe Approved Trust List(AATL)にあるルート証明機関の証明書を有効と判断しており、これがWindowsのものと必ずしも一致しないため、AcrobatとEdgeで署名の検証結果が異なる場合がある。

pdftimestampでLTV対応に失敗したものについては、おそらく使用しているライブラリのApache PDFBoxの制限、もしくは実行環境(Debian 13)によるものと思われる。Acrobatでタイムスタンプ署名の付与を行った場合の結果は未確認である。

日本語のページではアメリカSSL.com(ts.ssl.com)が標準で使えるタイムスタンプサーバとして紹介されていることが多いが、今回調べたところ

も広く使えそうなことが判明した。